最近読んだ本の中に、埋蔵金の話が出てきた。
後に、鉱山開発などで徳川幕府の財政を支えた大久保長安が、先に仕えていた
甲斐武田家の軍用金を、八王子付近の山中に埋めたというものだ。
小説の中では、大久保長安は、それを掘り出す前に病没しているので、そのまま
いまだに埋もれているのか・・・いったいどこにあるのだろう?
そういえば、昔、同じ徳川幕府の埋蔵金が赤城山中にあるという話から、古文書
などをもとに、コピーライターの糸井氏が中心になって掘り起こす作業を、テレビの
特別番組でやっていたことがある。大型ブルトーザーなどを使った、本格的な発掘
番組だった。
ところが、何度掘っても出てこない。だが、しばらくすると、また続きをテレビで
放送する。私も私で、どうせ駄目だろうとは思いながら、その瞬間を見逃してはならず
と、ついついその番組を観てしまう。そんなことが数回続いたとき、新聞の番組欄に
「埋蔵金発見か?」という宣伝コピーが載っていた。
そこで、ひょっとしたら?と、私はテレビの前に座り込んだ。するとパッツィーが
言った。
「埋蔵金が出たら、教えて。寝てるから」
「えっ、世紀の瞬間を見ないのか?今夜こそは出るような気がする」
「出ないと思うよ。それって録画でしょう。本当に出てるならニュースでやっている」
ウン、それもそうだ・・・と、急に観る気を失った。
そんなことを思い出しながら、我が故郷にも埋蔵金伝説はあるのかと、パソコンで
いろいろ調べてみた。すると、あった!やはり古文書が見つかり、それを信じた
幕末の藩主が、発掘調査まで行ったらしい。
「オーイ、聞いてくれ」
「何々、どうしたの?」とパッツィー。
「どうやら、実家の近くに埋蔵金があるらしい。凄いだろう?」
「そんなことより、早く年賀状を作ってよ!」
その一声で、夢の埋蔵金の話は終わりになった。
「North To Alaska」
こちらは埋蔵金ではなく、金鉱発掘の物語。
1960年に、ジョニー・ホートンで No.1ヒットとなりました。
2012.12.21