Walkin’ Backを立ち上げたばかりの頃だ。
ライブハウスの女性オーナーから、Oさんを知っているかと訊かれた。
Oさんというのは、彼女のバンジョーの師匠らしいが、思い当たらないと答えた。
すると、Oさんは、学生時代の私を、良く知っているのだという。
バンジョーの練習の合間に、彼女が、私のことを話したようだ。
すると、Oさんいわく、そいつは、バック・オーエンスを唄う男だろう、と。
バック・オーエンスを・・・それは合ってる。でも、当時、ブルーグラスと部室を
共用していたが、Oさんというバンジョー奏者は、まったく覚えていない。
「あっ、生意気なやつだったって」
「何だ!それ」
「私じゃなく、Oさんが言ってました」
そんなこんなで、その場で、Oさんと電話で話することになった。
すると、少しずつ思い出した。Oさんは、別の大学から、たびたび助っ人で
きていたバンジョーを弾く先輩だった。
それからしばらくして、別のバンドでベースを弾いている人からも、学生時代の
私を良く知っていると言われた。
この人も、別の大学でブルーグラスをやっていたが、合同練習で、東経大に
来ていたらしい。またしてもだ・・・
私は、そんなに有名なシンガーだったのか?と思ったら、そうではなかった。
単に、元気がいいから覚えていたと言われた。
Walkin’ Back初代スチールのUさん(療養中)とは、ジャムセッションのステージで
偶然出会った。一緒にやるようになって、しばらくすると、彼は、昔、八王子の
社会人カントリーバンドにいたことがわかった。八王子で?ひょっとしたら・・・
それで訊いてみた。
「その頃、Big Riverの部室に来たことが?」
「一度行ったことがあるよ」
「やっぱり。どこかで見たことがあると思った」
その時、Uさんたちの八王子バンドは、私たちの練習見学に、やってきた。
そして、最後に、彼らも演奏をした。つまり、その時のスチール奏者と、時を経て
40年後に一緒にバンドを組むことになったわけだ。
我が国のカントリー音楽の世界は狭い。このことを痛感している。
パッツィーと私は、長いブランクの後、カントリーの世界に戻ったのだが、
わずかな期間に、たくさんの旧友と再会を果たすことができた。
思えば、狭くて、そして、マニアックな世界に身を置いたものだ。
でも、この音楽に出遭えて、良かったと思う。
≪ライブの告知です≫
6月26日(水) 笹塚リバティベル「Walkin' Back」19:30より演奏開始です。
「Coca-Cola Cow Boy」
メル・テリス1979年のNo.1ヒットです。
2013.6.24