映画について思い出したことがある。
子供の時、一人でターザン映画を観に行った。
映画の途中、持ち込んだ海苔弁を食べようとすると、それまで白黒だった
スクリーンが、突然、カラーに変わった。凄い!これが天然色だと思った。
だが、その時、後ろの席が騒がしくなった。
振り返ると、二階の映写室から、白い煙に混じって赤い炎が出ている。火事だ!
あっという間に、客席には煙が・・・観客たちは、先を争って出口に殺到した。
やっとの思いで外に出ると、そこは、観客と野次馬でごった返し。
すると、そこに消防車が到着、消防団によって放水が・・・
今でも、「ターザン」という言葉を耳にすると、あの時の、最後まで観れなかった
映画のことを思い出す。
もうひとつ。高校時代、期末試験の最中に映画を観に行った。
野球部のAが、「これを見逃すわけにはいかない」と言うので、試験勉強のほうも
心配だったが、Aと二人で出掛けた。その映画は、監督がジョン・フォード、
主演ヘンリー・フォンダの「荒野の決闘」だった。
映画館は満員で、私たちは立ち見だった。だが、そんなことも気にならないくらい、
面白かった。来てよかったと思った。ここまではよく覚えているが、翌日の試験は
どうだったのかは、今となると何も思い出せない。
東京国分寺時代にも、映画館にはよく通った。
哀愁の「金ちゃん食堂」の前に名画座があって、三本立て千円だったと記憶する。
暇があって、懐に少し余裕がある時は、昼寝がてら、名画座に立てこもった。
今では、とんと、映画館には行かなくなった。
映画館で最後に観たのは、ジョニー・キャッシュの「ウォーク・ザ・ライン」
音響のいい大スクリーンで観たいと思ったからだ。
そういえば、その前に映画館で観たのも、レイ・チャールズの半生を描いた
「レイ」で、どちらも、偉大なミュージシャンの伝記ものだ。
しかし、いずれも、期待したほどの作品ではなかった。
もっと、彼らの音楽を・・・こちらが勝手に期待したせいかもしれない。
それ以来、映画館には行っていない。
「Tiger Rag」
ジャズのスタンダードを、二人の名手が演奏しています。
〇アルバート・リー
英国出身のギタリストで、16歳からプロとして活躍。
1974年に米国に渡り、エミルー・ハリスなどと共演する。
〇ヴンス・ギル
ブルーグラス畑からカントリーに転身した、オールラウンド・プレイヤー。
彼のアルバム発売数は、2,200万枚を超えているそうだ。
2013.7.18