「タコライス」とは「Taco-Rice」と綴る、ご飯の上にタコスの具を乗せた
沖縄発祥の料理のことだった。てっきり、タコ入りピラフか、はたまた
タコチャーハンのことかと思っていたが、違っていた。
タコといえば、明石のタコが有名だ。もちろん海産物のタコのほう。
大阪支店時代、パッツィーと高校野球の秋季大会を見物しながら、
「タコおこわ弁当」を食べた。後で知ったが、あれは明石球場の名物らしい。
その時、グラウンドでプレーしていたのが、有名になる前の福留選手だった。
PL学園の四番でショート。少し不器用に思えたが、身体能力の高い選手である
ことは、スタンドから見ていてもわかった。
高校野球が好きで、昔は、暇ができると、試合や練習をよく観に行っていた。
ずっと前になるが、仕事で、四国の松山に行った。ホテルにチェックインして
時計を見ると、イベント開始までには時間がたっぷりある。
フロントで訊くと、目的地まではそんなに遠くはなさそうだ。今日は土曜日、
時間的にも、これから練習だろう。タクシーに乗って松山商業に向かった。
校舎の前がグラウンドだった。アー、これが、甲子園で春夏7回も優勝して
いる、全国屈指の名門校・・・私は感動していた。
もうすでに、白い練習着の野球部員がグラウンドを走り回っている。
そして、ネット裏には、二十人ほどの熱心な松山商業ファンが集まっている。
しばらくすると、打撃練習になった。ところが、快音が聞こえてこない。
あれっと思い、自転車を停めて見ているおじさんに訊いてみた。
「彼は、レギュラーですか?」
「ウン、やつはクリーンアップだよ」
「それにしては、振りが鈍いですね」
思わず口が滑った。すると、その自転車おじさんムッとした様子。
それもそうだ。唄っているカントリー歌手の前で、そのファンの人に、
あまり上手くないと言ったようなものだ。
「あんたは、どこから来た?」
「埼玉です」
「何だ、埼玉か。あそこには強い高校はないな」
「・・・」
気がつくと、松山商業の熱狂的なファンに取り囲まれていた。
どうやら、私は、松山商業の野球部にケチをつけにきたように思われていた。
そんなつもりではなかったのに・・・
こちらも埼玉代表だ。少しは抗弁をしたものの、多勢に無勢だ。
急いでその場を離れホテルに戻った。すると、ロビーに同じ会社のCがいた。
見ると、彼の顔がピカピカに光っている。
「その顔、どうした?」
「ここまで来たら道後温泉!坊ちゃんの湯、最高!」
そうか、そんな近くに道後温泉があったのか。そっちに行けば良かった・・・
「Jealous Heart」
テックス・リターでヒットした1944年のヒット曲。
以後、多くのカバーが・・・
このドディ・ジャックの正調カントリー、かなりいいです!
2013.10.31