いったい、どこで初めて食べたのだろう?ふと、そう思うことがある。
生まれて初めての食べ物、その場所とか時期については、思い出せないことの
ほうが多い。ところが、何か印象的な場面や出来事などとそれが一緒だと、
やけにはっきり覚えているものだ。
大学1年の時だった。その日が、私にとって初めての横田基地。福生のゲートから、
兵隊さんの運転する車で軍曹クラブに入った。
広いフロアーにはまだ誰もいない。物珍しさにキョロキョロしながら、ステージに
楽器を置くと、係の兵隊さんが、自分について来いと言う。演奏は夜に始まる。
どうやら、その前に食事をさせてくれるようだ。
フロアーの片隅に小さなスペースがあった。入ると、左手にカウンター、中に
バーテンダーが一人いる。どうやら、その奥がキッチンらしい。
テーブル席に座り待っていると、コックさんがトレーを持って出てきた。
丸くて大きなパンだった。何だろう?薄いひき肉が焼いてある。ハンバーグだ。
それがパンの間にはさんである。薄いチーズと、輪切りにしたトマトも・・・
このサンドイッチみたいな食べ物は、何という名前なのだろう?
トレーには、紙コップに入ったポテトフライもあった。一本抜いてみると長い。
これがジャガイモなのか!それにしても大盛りだ。ケチャップが付いている。
そうか、これを付けて食べるのか。
大きな紙コップに入ったコーヒーもあった。私は、それを飲みながら、出された
ものをすべて平らげた。思えば、あの頃は、いつもお腹が空いていた。
味については良く覚えていない。一食助かった!それが、その時の率直な感想だ。
それが、生まれて初めて食べたハンバーガーだった。
銀座三越に、マクドナルド1号店が誕生したのは、それから4年後のことだ。
振り返ってみると、横田基地で食べたハンバーグから数えて、この年になるまで、
私は、ハンバーガーを20個以上は食べていないと思う。
もともと、私はパンよりもご飯のほうが好きだし、パッツィーは、パンは好きでも
ビールの置いてない店には絶対入らないからだ。
「Misery Loves Company」
ポーター・ワゴナー1962年のヒット曲。
当時彼とよくデュエットしていた、ノーマ・ジーンの唄です。
2014.1.8