同じ轍(てつ)を踏む。これは、転倒した前の車の轍(わだち)の跡を踏むこと。
つまり、先人の失敗を繰り返す例えとして用いられる。だが、先人の失敗では
なくて、自分が、同じことで失敗を繰り返す時には、何と言い表すのだろう?
中古なのだが、また同じ本を買ってしまった。それも「山姥」という有名な直木賞
受賞作を二度もだから・・・自分の記憶力に不安になる。
もっとも、そんなことは昔から度々あった。ひどい時には、同じ文庫本を三回も
買った。当時、翻訳物のミステリーやハードボイルドに凝っていて、毎日、帰りの
電車で読んでいた。片道1時間半近くも乗っているのと、朝と違って、結構空いて
いるからだ。
同じ本を買ってしまうのは、タイトルが自分好みなのだろうか、カタカナに弱いせい
だろうか、それとも、読んだ本のタイトルを記憶できないからなのか・・・
まあ、それでも電車中の暇つぶしでもあるので、再び買った本をもう一度読む。
すると、結構忘れていたことや、初めて読んだ時には気が付かなかった伏線などを
見つけ出し、それなりに楽しめるものだ。
ところが、これには例外もある。初めて読んだ時、これは何だ?と中断した文庫本を
また買ってしまった。作家は日本人だった。おそらく、そのキャッチーなタイトルに
惹かれたからだと思う。仕方がないので、我慢して読み直すことにした。
ところが、やはり面白くないものは、面白くない。その日のうちに読むのを諦めた。
あきれたことに、数ヵ月後、またもや、その本を買ってしまった。だが、そうと気が
付いた時は電車の中。よし!意地でもと、3度目の挑戦。そして、今回は、1度目、
2度目の時よりも先まで進んだ。本代を回収すべく、我慢して読んだからだ。
ところが、どこまでいっても一向に話が面白くならない。普通は、どんな本でも、
どこか一つぐらいは、なるほどと思えることがあるのだが、その本は、最初から
のべつ幕なし、つまらないことをグチャグチャ書き綴っているだけだ。
1時間半後に駅に下りた時、怒りはピークに達していた。本の内容にもそうだが、
それよりも、そんな本を3度も買った自分に腹を立てていたのだと思う。
生まれて初めて、本をゴミ箱に・・・本の神様スミマセン!
私は、以前、自分自身が失敗した車輪の跡を、懲りもせずにもう一度、いや、何度も
踏んで歩いているようだ。
ところで、その本のタイトルがどうしても思い出せない。これはまずい。
うっかりしていると、4度目もあるかもしれない。
Walkin' back のライブ告知です。
笹塚「リバティベル」
2月19日(水) 19:30演奏開始
「Sea of Heartbreak」
1961年ドン・ギブソンで大ヒット。以降、数多くのカバーが。
これは、リン・アンダーソンが1979年に発表したもの。
チャート入りしました。
2014.2.13