毎朝、納豆を食べている。安くて美味しいし、栄養も豊富らしい。特に、納豆に
含まれるビタミンB2(リボフラビン)は、体内で発生する過酸化脂質(ガン発生の
要因の一つ)を分解阻止するそうだ。また、ネバネバ成分ナツトウキナーゼは、
血栓を溶かし、血液をサラサラにしてくれる。さらに添加物を必要としない納豆。
考えてみれば凄い食品だ。
子供の頃、早朝の玄関先から納豆売りの声が聞こえてきた。
声の主は、家計を助ける小学生。あの頃は日本中が貧しかったのだ。その当時の
納豆は、木の香漂うキョウギに包まれた三角形。今よりもだいぶ大きかった。
少し時が経つと、納豆売り少年の声は聞こえなくなり、田舎町の商店街にも小さな
スーパーができて、そこで納豆を買うようになった。そして、いつ頃かは覚えて
いないが、それまで三角形だった納豆は、四角形の発砲スチロールのパックで売ら
れようになった。
気がつくと、小さなパックになった納豆には「タレ」と「カラシ」が付いていた。
誰が考え出したのか納豆にカラシ。中学生のとき、東京の親戚のところで生まれて
初めてそれを食べた。ビックリするほど美味しかった。それまで、田舎ではカラシ
を入れたことがなく、これは絶妙の組み合わせだと思った。
杉並のパッツィー家では、もっと早くからカラシ入り納豆を食べていたようだ。
小学生の彼女が納豆買い出し担当。近くの豆腐屋さんに行って、三角キョウギの
端っこに、たっぷりカラシを付けてもらうのがうれしかったという話は何回も
聞いた。おそらく、彼女にとって、それは、東京の、古き良き時代の思い出の
一つなのだろう。
ところで、カラシとコンビの「タレ」はいつ頃から付くようになったのだろう。
昔は、納豆の味付けといえば醤油が当たり前だった。ところが、気がつくと、
今では指先をベタベタにしながら、普通に甘い味付けのタレをかけている。
確かめると、昭和50年代に、一部のメーカーがタレを付けて販売したという記述が
あった。今から40年ほど前のことだ。そのメーカーは、独身男性用としてタレ付き
を売り出したらしい。だが、意味が良く分からない。タレの袋を開ける手間よりも、
さっと醤油をかけるほうが簡単なような気もするが。それはともかく、タレを付け
ると売り上げが伸びたそうだ。それを知った他メーカーも次々と真似をして・・・
こうして、現在のタレ付き全盛時代に至るわけだが、ここまでタレ付きが浸透した
のは、単に手間が省けるという理由からではないと思う。醤油単品よりも美味しく
なるからではないか。ポイントは、あのほのかな甘味だと思う。
納豆好きな人は、自分なりのやり方がある。タレと少量の醤油をとか、ネギと卵の
黄身を混ぜると美味いとか。息子などは、小松菜のおひたしを刻んで入れたら結構
美味かったと電話をよこした。
もっとある。カレーには納豆が合うとか。空になった納豆ドンブリに、ご飯を入れ
て食べるのが、一番の贅沢だと言った人もいた。それから・・・
どんな「私流」を聞いても、納豆についてのうんちくは、実にほほえましい。
何せ、3パックや4パックで100円を切る安さ。その上、健康にも良い食品とくる。
納豆は実に偉いのだ!
頼まれたわけではないが、納豆協会の宣伝のようになってしまった。
「Then You Can Tell Me Goodbye」
ヒットポップスのカバーです。
このエディ・アーノルド盤は、1989年にカントリーで1位になりました。
2014.12.7