高校の時、市街地の遠くから通っていた同級生がいた。その彼、バスの時間
が迫ったので、「おしっこみなんしょ」と言って去ろうとした。すると、5人ほど
いた全員が「それって何だ?」とか「田舎くさい」とか。中には「トイレに行くの
か?」と訊くものも。
「おしっこみなんしょ」とは、「失礼します」という古い方言だった。
想像だが、別れの時の挨拶で、「見送りに出なくてもいいですよ。どうぞ引っ込
んでください」というのが簡素化し訛ったような気がする。
「挨拶」には、各地でいろいろな方言があるようだ。<全国方言辞典>によると
ごくろうさん=おせんどさん(滋賀)。それではまたね=したっけね(北海道)。
こんばんは=しめなったか(宮崎)・・・方言というのは実にユニークだ。
それでも、「ただいま」と「お帰り」というやりとりだけは全国共通のようだ。
日本中の玄関先で「ただいま」と言うと、どこの家の中からも「お帰り」という声が
返ってくる。全国共通!いいものだ。
ところで、この「ただいま」と「お帰り」の英語版だが、「英語学習コラム」によると、
直訳では「ただいま」=「I’m home」で、お帰り=「Well comeback」になる。
ところが、アメリカの家庭では、このようには言わないらしい。
では、実際にはどう言うのか。帰宅した人が「ただいま」=「Hey!とか Hi!」と
言うと、「お帰り」=「Hey, how was your day(今日、一日どうだった?)」とか、
「Hi, how was work?(仕事どうだった?)」とか出迎えるのが普通らしい。
そこで、「お帰り」の直訳「Well comeback」という言い方だが、これは、旅行、
留学、出張など長期間離れていて帰ってきた時に使うらしい。そういえば、古い
カントリーソングの歌詞に♪Well comeback・・・というのがあった。
ところが、その「Well comeback」という言葉さえ出てこないこともある。
下の画像がそうだ。兵士の帰還に、「お帰り」が言葉にならない。
「Soldiers Coming Home」
Skilletというクリスチャン・ロック・バンド。
(実は、このようなジャンルがあることも知らなかった)
彼らの2013年のヒット曲「American Noise」がバックに流れます。
2015.5.21