校外学習で体罰のニュース。都立府中工業高校の教諭が、集合時間に遅刻した
生徒96人を、都庁前広場で正座させたというもの。教育委員会は責任者教諭を
処分するとともに、周囲にいた教諭たちも指導するようだ。
文科省通達には「いかなる場合においても、殴る蹴るの行為はもちろん、長時
間、正座・直立等をさせてはならない」とある。それならこのケース、教諭は
どう対処すべきだったのだろう。教諭は「遅刻は悪いことだったと理解させた
かった」と釈明している。
そもそも、156人中96人もの遅刻者が出るとは普通ではない。スケジュールの
設定に無理があったのか、はたまた、普段から集合時間を守らない生徒たちな
のか定かではない。だが、集合時間を守った生徒もいるのは確かだ。
これまでの卒業生の進路をみると、そのまま大手企業に就職する生徒が多い。
遅刻した生徒の多くも、まもなく実社会に出るだろう。もしその時、大切な
仕事で遅刻をしたら、その人の信用はたちまち失墜してしまうかもしれない。
そういうことを高校生たちに教えるのも、工業高校教諭の大切な仕事だと思う。
ところが、それを教えるために「正座」をさせたことが問題になってしまった。
また同時に、それが大勢人のいる場所だったことも問題視されているようだ。
そこで、学校に戻ってから言って聞かせるという選択もあるにはあった。だが、
教育とか指導(トレーニング)は、問題の発生したその場(オンザジョブ)で
やれば一番効果が上がることも事実だ。
それでは、正座ではなく立たせて指導すれば良かったのかというと、それも
「長時間の直立禁止」という文科省通達違反になるし、96人もの男子高校生が
自分と同じ高さで目の前に並んだら、教諭からは後ろの生徒が見えない。
そもそも、20分の正座というのは文科省のいう「長時間」なのだろうか?
もちろん、何時間もそうさせていたら、これは間違いなく体罰だが。お寺の
法事などでは1時間ぐらいは正座をしなければならない。また、あらたまった
場所では、相手から「どうぞお楽に」と言われるまで、正座をし続けること
もある。
後で問題になるのが嫌で、見て見ぬふりをしたり、介入したとしても、双方に
角が立たないように「そこそこ」に。こんな選択肢もある。ひょっとすると、
実際はこの手の教諭のほうが多いかもしれない。だが、それは教育の放棄だ。
先日、岩手で「イジメ自殺」があったが、SOSを発信し続ける生徒を、担任と
学校は救えなかった。その後の報道によると、だいぶ前にイジメ生徒を特定で
きていたようで、担任も間に入って話し合いをもったらしい。
それでもイジメ解消とはならなかった。もし、都庁前広場で生徒96人を正座さ
せた教諭のような人が担任だったら・・・そう思ってしまう。
「Paper Roses」
アニタ・ブライアントの大ヒット曲。
マリー・オズモンドのカバーはカントリーチャートでNo.1に。
こういう曲を唄わせたらハンク・スノウはめっぽう上手い。
パッツィーが練習中です。
2015.7.17