土曜日に帰省した。朝、東北道を北へ走ると、群馬館林あたりで渋滞には
まってノロノロ。そこまでは、行楽時期とあって確かに車は多かったが、
それでも滞ることなくスイスイ流れていたのだが・・・
それが、栃木都賀JCを過ぎたあたりで急に車が流れ出した。
不思議なことに、どこにも故障車や事故の形跡は見当たらない。運転をして
いたパッツィーは、何が原因?とさかんに首をひねる。
翌日、同じ東北道の帰り道。上りはスイスイだった。ところが反対車線を見
ると、昨日と同じ場所で渋滞が発生している。渋滞に巻き込まれているドラ
イバーたちは、昨日の私たちのように、栃木都賀JCを過ぎたあたりで首をひ
ねっているだろう。
調べてみると、あれは「サグ部」が原因の自然渋滞であることがわかった。
サグ部とは、下り坂から上り坂にさしかかるV型の形状のことをいう。
こうした場所では先頭の車が、下り勾配から上り勾配に変化していることに
気付かず、知らずに速度が低下してしまうらしい。
すると、それを見た後続車は、ブレーキを踏んで安全な車間距離を保とうと
する。また、次の車も同じようにブレーキを踏む。こうして次々とブレーキ
を踏む車が繋がると、しまいには停止する車も出てくる。
もちろん他の渋滞要因もある。例えば、トンネルの入口がそうだ。視界が暗
くなることで運転手が圧迫を感じるので速度が落ちるらしい。また、インタ
ーチェンジやジャンクションでの合流も渋滞の原因になる。
このような他の要因もあるが、NEXCO東日本によると、交通量が多くなる時
期に発生する渋滞の70%はこのサグによるものが占めるという。さらに問題
なのは、サグ渋滞が始まりかけると「追越車線」に移る車が多くなることだ。
追越車線の車は車間距離を詰めようとするらしい。統計学的には、車間距離が
40メートルを下回ると渋滞が始まるといわれている。つまり、本格的な渋滞は
追越車線から始まっていくのだ。
渋滞になると、走行車線を走るか、はたまた追越車線を走るか?いったいどち
らが早く目的地に着けるのか大いに迷う。ところがこれにはスバリ正解がある。
それは、走行車線をひたすら走ること。時速30キロ以下の渋滞になると、時速
数キロほどだが、追越車線よりも走行車線のほうが早くなることがわかってい
るそうだ。
私たちは、早く行きたい、自分が得したいという利己的な行動によって、結果、
渋滞となり全員が損をする。ところがアリの世界に渋滞はない!研究者による
と、アリは、行列の間隔を詰めすぎないことで、渋滞を未然に防いでいるそう
だ。アリは賢い!
「The Country Hall of Fame」
ハンク・ロックリン1967年の作品。
8位にランクインしました。
2015.8.10