何年か前、故郷の温泉宿で開催された中学校の同窓会に出席した。
何せ悪名高き団塊の世代、この学年には当時500人を超える生徒がいて、
それらが狭い教室にひしめき合っていたものだ。
受付で配られた名簿を見ると、すでに亡くなった人たちも多く、
住所欄に「不明」と記載された人も多かった。
そういうことで、当日の出席者は約300人、それらが宴会場の大広間に集合した。
懐かしい顔がアチコチに。反面、あいつは誰だろう?と、思い出せない顔も多い。
乾杯が終わると、クラス別に分けられた席が動き出す。
いろいろな人たちと酒を酌み交わしながら、昔話に花が咲いていたときのことだ。
「三悪人って知ってる?」
別のクラスだったオジサンに訊かれた。
「隠し砦の三悪人?その黒沢映画は見たことがある」
「違う、違う、この学年の三悪人だよ」
「・・・知らないなぁ」
「まずA君、それとB君、もう一人が君だよ」
「えっ!俺が?悪人・・・」
会場を捜すと、A君も、B君もいた。それに私も。
元気印だった彼らは何となくわかるが、まさか、心やさしい自分が・・・
でも、そうかも知れない・・・あの頃、確かに私は元気良すぎだった。
そういえば、さっき担任の先生に挨拶に行ったら、彼はそっけなかったし。
宴会が終わり、ひと風呂浴びて部屋に戻ると、相部屋の6人が誰もいない。
どこに行ったのだろう?やはり俺は・・・でも捜してみよう。
いろいろな部屋をのぞいてみたが、彼らはいない。
汗をかきながら広い館内を捜しまわった。
いた!彼らはラウンジのパーでラーメンを食べていた。
私が顔を出しても、和やかな雰囲気と彼らの笑顔は消えなかった。
私もラーメンを注文した。
「Time Changes Everything」
作者はテキサス・プレイボーイズのトミー・ダンカン。
オリジナルは彼らの1940年だが、 ちょうど30年後の1970年、
マール・ハガードが吹き込んだ、ボブ・ウィルスのトリビュート盤に挿入されている。
2012.6.17