松本遠征の最終章。式が終わり、ありがたいことに、遠方の私たちのために
新婦の実家が用意してくれた浅間温泉、2台の車で向かった。
宿は、式場から約15分の場所。ところが、なかなか着かない。
両車ともナビがあり、教えられたように進むのだが、それがどうしても目的地に
着かない。早く温泉につかってのんびりしたいが・・・困った。
それでも、あれこれ迷いながら温泉街には到達した。ところが、そのホテルが
どこにも無い。早く風呂に入りたい・・・ウーン、困った・
そこでホテルに電話をかけた。それでわかったことは、ホテル名が変わった
ということ。それも、予約時から当日の短い期間に。
突然、経営者が変わったのだ。ということで、散々あたりを捜しまわった後、
ようやく宿に到着した。
フロントで部屋割りをして部屋に入り、さぁひと風呂浴びてと・・・
その時、ドアをノックする者がいる。フロントにいたオジサンだった。
「何ですか?」
「ボールペンをお持ちにならなかったでしょうか?」
「えっ、何のこと?」
「お使いになったでしょう?」
「使ったよ。それが?」
確かに、部屋割り表に名前を書き込むときに、フロントに用意してあった
ボールペンを使った。だが、私は書き終えると、ペンスタンドに刺して返した。
それを、このオジサンは、私に返してくれと言うのだ。
すったもんだの結果、オジサンは、釈然としない表情を残して消えた。
釈然としないのは、こっちだ!
風呂に入った後、部屋にみんなが集まり、ちょっとした飲み会になった。
式も滞りなく終えたという安心感から、笑い声が絶えない。
そのとき、私が、先ほどのボールペン騒動のことを話した。
「まったく・・・俺がそんなことをするわけはない」
ひとしきりぼやくと、一同は、腹を抱えて大笑い!そこで訊いてみた。
「ボールペン1本だよ。俺が、そんなセコイことをするように見えるか?」
すると一同、声をそろえた。
「見える!」
翌朝、帰りがけにフロントには、あのオジサンがいた。そして、彼の目の前の
ペンスタンドを見ると、ボールペンが1本なかった。
「Image Of Me」
ウェン・ケンプ作。このコンウェイ・トゥエッティの録音は1968年で、
調べると、同じ年に、アーネスト・タブも録音していました。
それから2年遅れでジョージ・ジョーンズも・・・いい曲です。
2012.913