モグラの世界にも境界線がある。東の「アズマモグラ」、西の「コウベモグラ」
この二つの種類が、箱根山を境に棲み分けている。ところがその東西のモグラたち、
平和的に居住エリアを分けているのではないようだ。
そもそも、東のアズマモグラというのが、古くから日本に生息しているモグラで、
西のコウベモグラというのは、その昔、朝鮮半島から渡って来た種族だそうだ。
そのコウベモグラというのが、とてもパワフルらしい。どういうわけか、彼らは
東へ向かって侵攻を開始した。
だが、その侵攻も、箱根山と長野県の固い岩盤に阻まれてストップ。それで東西の
モグラ対決は収まったかに見えた。ところが、長野県の中央自動車道の工事により、
固い岩盤が崩されてから状況が変わる。工事によって柔らかになった土を掘って、
西のコウベモグラが再び侵攻を開始したのだ。
現在では諏訪湖付近にまで、コウベモグラはその勢力を拡大しているというが、
彼らの侵攻は、はたしてどこまで続くのだろうか?アズマモグラたちが結集して、
何とか会津あたりで食い止めてもらいたいのだが・・・
開発工事が生態系を変える。これはモグラの世界だけではない。
昔、仕事の旅行で青森の恐山に行った時、観光バスのガイドさんがこう言っていた。
「ここには、キタキツネが生息しています」
ウソー!その時同じバスに居合わせた人は、全員がそう思ったに違いない。
野生動物の生態に詳しいわけではないが、キタキツネといえば、その棲息は、
樺太や北海道に限られていると思い込んでいた。ところが、下北半島にも・・・
本当なのか?
ガイドさんの説明で、その謎はすぐに解けた。原因は青函トンネルだ。
そのトンネルが完成してから、青森でキタキツネが頻繁に目撃されるようになった。
実際、青函トンネルの監視カメラにキタキツネが歩いている姿が映っているそうだ。
キタキツネは、もうすでに「北の国から」の世界だけではないようだ。
ひょっとすると、遠い将来、東征を成し遂げたコウベモグラたちが、キタキツネたちと
恐山でバッタリ出遭うかもしれない。
だとしても、それは開発工事のせいだ。別に、イタコに呼び寄せられた訳ではない。
「All Right」
ジョージ・モーガン1964年のヒット曲。
翌年、レイ・プライスはアルバム「Love Life」に収録。
次のリバティベルで唄う予定です。
2014.3.4