「赤色灯を点灯しサイレンを鳴らしてもスピード違反で赤切符」というニュース。
緊急性に欠ける速度超過ということで、アウトになったらしい。
そうか、パトカーでも捕まるのか・・・
30代の時、スピード違反で痛い目にあった。その前日は、群馬の会議で深夜帰宅。
当日も、甲府での仕事が長引き、帰りは真夜中になってしまった。他に走る車は
ほとんど見当たらない。早く帰ろうと、中央高速道でアクセルを踏み込んだ。
しばらく走ると、走行車線に、数台の車が団子状にノロノロ。もちろん追い抜いた。
少し経ってルームミラーを見ると。後ろに1台の車が迫ってくる。振り切ろうと思い
アクセルを踏むと、後ろの車が、突然パトライトを点灯した。そして、スピーカー
から「左に寄りなさい・・・」
泣けてくるような反則金だった。後日、出頭命令書が届き、K市の裁判所に行った。
ところが、初めてのことで、どの窓口なのか分からない。そこで、事務をしていた
50歳ぐらいの係官に、違反切符を見せながら訊いた。
「どこに出せばいいですか?」
「上を見ろ!目が付いていないのか?」と係官。
「・・・」
「ちゃんと書いてあるだろう!まったく」喧嘩腰だった。
上を見ると、確かに、窓口名が書かれたプレートが天井からぶら下がっていた。
意気消沈して、下ばかりを向いていたのだろうか。それを気が付かなかった。
だが、その係官の横柄な態度と暴言は、私の闘志に火を着けた。無礼者め!
そして、裁判所の中は大騒ぎ・・・
気が付くと小さな部屋いた。狭いし窓もない。ここは牢屋か?いや、そんなことは
ない。しかし、どうなるのだろう?どう考えても納得がいかない。だが、ドアには
鍵が掛かっている。あれから2時間も経つのに誰も来ない。心細くなってきた・・・
その時、扉が開き、暴言係官とは別の人間が中に入ってきた。上司のようだ。
私は、あの係官を連れて来るように主張した。ところが、彼はすでに帰ったという。
私を閉じ込めて置いて、いったい、どういうことだ!
係官が語り始めた。あなたに、冷静になってもらうために、ここに入ってもらった。
理解してほしい。確かに、ことの発端は彼の暴言だったことは認め、代わって私が
あなたに謝罪する。
だが、ここは裁判所であり、あなたは道路交通法違反という罪を犯してここにいる。
いうなれば犯罪者なのだ。だから、少々のことは何とか我慢してもらい・・・
要するに、手打ちの提案だった。何も無かったことにしようということだ。
全然納得がいかず、釈然としない。だが考えた。もし、ここで逆らって、また、
この狭い部屋に閉じ込められると大変だ。それに、疲れてしまって元気が出ない。
官憲の横暴に屈するのは悔しいが仕方がない。彼の提案を受け入れることにした。
帰り道に思った。私は閉所恐怖症なのかも・・・
「Highway Patrol」
ジュニア・ブラウン1993年の作品。
ギターとラップ・スチールのダブルネック・ギターを
自在に操ります!
2014.6.30