近所の中学校が来春閉校になり、別の中学校に統合されるようだ。少子化による生徒数の減少によるものだろうが、今までそこにあった学校が消えるというのはなんだか寂しいものだ。それにしても、二つの学校が一つになるというのは、生徒たちにとっても何かと大変なことだろう。
私が小学5年生の時、生徒数の増加から小学校が「南と北」の二つに分かれ、そして、中学で再び一つになるという、あわただしい「分離と統合」を経験した。どうして中学校が統合されたのか今でも理由はわからないが、結果、1学年9クラスで500人以上というマンモス中学校ができた。
南小出身と北小出身の生徒が、狭い教室の中で55人もひしめき合うのだから、いろいろな摩擦も起こる。休み時間の廊下、放課後の校庭、具合が悪くなっての保健室、どこにいっても人だらけ。クラスでの自分の立ち位置や、学年全体の勢力図みたいなものが決まるまでには、かなりの時間を要した。
来春統合される中学校ではどうなのだろう。何しろ、運動部にしても、文化部にしても、これまでの地区大会ではお互いライバル関係にあったわけだから、統合したその日から、すんなり「今日から一緒に仲良く」とはいかないかもしれない。
会社員時代、関連会社に合併があった。小規模だが経営内容が良い我が軍が、不振の大規模な相手を吸収し、当時、業界では「小が大を飲む」と評された。その合併前夜の四国松山市のホテル、自分たちの陣営を集めて行った「小」のトップの演説が印象的だった。
「2つの会社というのは、2つの家庭と一緒だ。それぞれの家庭には父がいて母がいる。ご飯の食べ方からしてまったく違うし、それぞれの家風というものも違う。それが、今度同じ屋根の下で一緒の家族になるわけだから、難しいことも多い・・・」
「難しいこと」それは合併後すぐに現実となった。同じ会社の同僚たちが、陰で「彼は旧〇だから」とか、「旧✕の彼は」とかと、かつての出身会社のイニシャルで呼び合う。そんなことは、新会社になってから入社した社員たちが、多数を占めるようになるまで続いた。
大人たちはそうただったが、中学校の統合余波はそう長引かないだろう。来春合流する中学生は新3年生と新2年生たち。新入学の1年生は、スタート時点から統合学校の「生え抜き」だ。全校生徒が「生え抜き」になるのは2年後。この間、問われるのは教師の指導力だと思う。
先日の日曜日、買い物の生き帰りに閉校になる中学校の前を通った。校舎に垂れ下がる大きな幕には「54年間ありがとう」とある。数えてみると、ドン&パッツィーが中学に入る頃に創立された中学校だった。毎年春になると校庭の土手に咲く大きな桜の木。あれはどうなるのだろう・・・
「Help Me Make It Through The Night」
Nさんから質問があった曲。多くのカバーがある中、
ここはチャーリー・プライドの唄で。
1970年クリストファーソンの自作で大ヒット。
カントリーチャートで1位、ポップスチャートでも8位でした。
2015.12.9