Walkin' Back 昨夜はリバティベルでの演奏でした。
お越しいただきました皆様、ありがとうございました。
次回は9月7日(水)です。こちらもどうぞよろしくお願いいたします!
Don & Patsy
以前、写真を整理していて感じたのだが、あの頃、カメラが貴重品だったせいか、自分が子供の頃の写真が異常に少ない。七五三などの記念写真はそれなりにあるが、スナップ写真などは極端に少ない。その少ない中の一枚に、葡萄棚の下、私を含めた三人の小学生が「パッタ」遊びに夢中になっている写真がある。
厚手の紙でできている長方形のカードの「パッタ」。相手カードのすぐそばに、自分のカードを叩きつけ、その風圧で相手のカードを裏返すことができれば、そのカードは自分のものになる。ちょっとしたギャンブルだ。「パッタ」は、正式には「めんこ」と呼ぶと知ったのは、ずいぶん経ってからのことだ
パッタには「名人」がいた。彼の家に遊びに行くと、大きな箱の中に、何段にも重なった「パッタ」がギッシリ詰まっていたのにはビックリ。新品は一枚もなく、すべては名人の戦利品。戦いの傷跡の残る古ぼけたパッタだったが、私には輝いて見えた。
同じ頃「ビー玉」も流行った。友達と競い合うその「ビー玉」遊びにも「名人」がいた。先輩の家にある木の箱には、戦利品のビー玉がぎっしり。簡単には持ち上げられないほど重い。彼の宝物は、光にあたってキラキラ輝いていた。
「金魚すくい」の名人は凄かった。丸い枠に和紙を張ったもので金魚をすくうのだが、これが難しい。祭りの夜店。一匹もすくえなかった私の隣、いともたやすく、次々と金魚をすくい上げている男の子がいた。しばらく見ていると、彼は、満タンになった金魚袋をぶら下げて帰っていった。
三日続く祭りの最終日。どうしても金魚が欲しいので、もう一度金魚すくいに出かけると、そこに昨日の男の子がやってきた。すると、彼を見たねじり鉢巻きのテキヤさんが、嫌な顔をして言った。「また来たのか?・・・」。どうやら、男の子は三日連チャンのご来店らしかった。
嫌味にもめげず、男の子はお金を出した。すると、あわてたテキヤさん。「お前は名人だ。もう勘弁してくれ。頼むから帰ってくれ」。それを聞いた男の子は、ニッコリ笑って帰って行った。彼の後ろ姿は、まるで西部劇のヒーローのようだった。
遊び道具の少ない時代だったが、それなりに工夫を凝らして遊んでいた。そして、それぞれの遊びには、卓越した技を持つ「名人」や「達人」が必ずいた。ところが、その彼らの顔が思い出せない。一緒に遊んでいるところの写真があればよかったのだが・・・
「Little Green Apples」
アルバム「ボビー・ジェントリー&グレン・キャンベル」に
収録されていました。出来の良いデュエット版で、LPレコードを
擦り切れるほど聴きこみました。
2016.7.7