「30過ぎまで弘前を(ひろまえ)と読んでいた私」という人がいた。正しくは(ひろさき)なのだが。それでも、知らないとそう読んでしまうかもしれない。辞書を見ると、「前」とは、「後」の反対語である「まえ」という意味とは別に、「先立つ」という意味もある。それで(ひろさき)と・・・地名の「読み方」というのは難しい。
そこで「いくつ読める?茨木の難読地名10問」というクイズに挑戦してみた。
1大子(たいし) 2行方(なめかた) 3天下野(けがの) 4涸沼(ひぬま) 5入地(いりち) 6水海道(みずかいどう) 7大角豆(ささぎ) 8大甕(おおがめ) 9女化(おんなか) 10中舟生(なかふにゅう) ※()の中が正しい読み方。
結果、どうにか読めたのは10問中5問と半分だけ。同じ関東圏に住んでいてもこうなのだから、遠隔地に住む人たちにとっては、なおさら難しいと思う。そういうことで、「関西人が読めない、東京難読地名トップテン」というのを見てみた。※()の中が正しい読み方。
1位 九品仏(くほんぶつ) 2位 保谷(ほうや) 3位 雑色(ぞうしき) 4位 福生(ふっさ) 5位馬喰町(ばくろうちょう) 6位 舎人(とねり) 7位 中延(なかのぶ) 8位 経堂(きょうどう) 9位 等々力(とどろき) 10位 糀谷(こうじや)
関西人の誤読例はこうだった。九品仏は「くしなぶつ」「くひんぼとけ」。保谷は「やすたに」「ほや」。雑色は「ざっしょく」「ざついろ」。福生は「ふくせい」「ふくしょう」それに「ふくなま」。馬喰町は「うまくいちょう」や「うまくいまち」など。
何だか可笑しいが、笑ってばかりはいられない。その逆に「東京モンが読めない大阪の難読地名」というのもある。 ※()の中が正しい読み方。
1位 柴島(くにじま) 2位 孝子(きょうし) 3位 近義の里(こぎのさと) 4位 布忍(ぬのせ) 5位 御幣島(みてじま) 6位 喜連瓜破(きれうりわり) 7位 放出(はなてん) 8位 正雀(しょうじゃく) 9位 四条畷(しじょうなわて) 10位 香里園(こうりえん)
東京モンの誤読例というのはこうだ。柴島は「しばしま」で、孝子は「たかこ」と女性の名前。近義の里は「きんぎのさと」と「こんぎのさと」が多く、御幣島は「ごへいじま」か「みへいじま」。わからないでもないが、それでも全部誤読なのだ。
民俗学者「柳田国男」の地名研究によると、「地名とは、二人以上が共に使える記号」だという。そして、その地名には様々な由来があるそうだ。例えば、地形を表す「地形説」、または「アイヌ語説」、それから埼玉県にある高麗群(こまぐん)のような「渡来人説」、そして、後世に警鐘を鳴らす「災害地名説」・・・
それら地名は、文字(漢字)で伝承されるのではなく、話しやすいように音(おん)で伝承されるという。例えば、京都の「三年坂」という地名は、当初は「産寧坂(さんねいざか)」だったが、(さんねい)は発音しにくいので、(さんねん)に転訛して・・・
この例は、音の変化に合わせて、漢字も「三年坂」に変わったからいいようなものの、おそらく、そこに至る途中では「産寧坂」と書いて(さんねんざか)と読ませていたに違いない。もしそうであれば、土地の人以外は(さんねんざか)とは読めないと思う。全国に難読地名が多いはずだ。
「My Favorite Memory」
後で気が付いたが、この曲は以前にもここで取り上げていました。
それでも、いい曲なので、もう一度。
マール・ハガード1981年のNo.1ヒットです。
2016.11.9