カントリーをやりだした学生時代に、二枚のアルバムに出会った。
一枚は、ご存知Buck Owensカーネギーホールのライブ盤、
そしてもう一枚が、そのとき初めて聴いたRay Priceのベスト盤であった。
Buck Owensについては後日ということにして・・・
そのRay Price盤の話。
初めてレコードに針を落とした瞬間、
切れ味鋭いフィドルのイントロに鳥肌が立ち、
そしてRay Priceの透明で張りのある歌声と、
チェロキーズの演奏する4ビートにたちまち虜になった。
その歌の数々は、Ray Priceの全盛期・・・というか、
彼がギターを自分で弾いて歌っていたころの音源ばかりで、
どの曲もハズレなしの一級品であった。
そのアルバムの中でも一番のお気に入りだったのが
Bob Wills & Lee Rossが作曲したこの曲で、
ついには「Walkin' Back」という自分たちのバンド名にまでしてしまいました。
2012/1/10
この曲を歌ったことのないカントリー歌手は、あまりいないだろうし、
この曲を演奏したことのないカントリーバンドというのも、珍しいと思う。
それほど有名で、どこで演奏してもファン受けのするJambalayaだが、
これをステージで演奏して、
この映像の少年ほどの圧倒的喝采を受けた経験を持つ人は少ないだろう。
とにかく可愛らしい四歳の少年の演奏と、
それをサポートしようとしてウロウロするHank Wiliams, Jr.が微笑ましい。
のっけから観客にバカ受けです!!
2012/1/8
昨年暮れのテレビのスポーツニュース。
日本ハムのダルピッシュ投手が海外FA宣言をした後のこと。
アメリカのスポーツ紙の大見出しに「Blue Buy You」と載り
ウッ!と思った。
記事は大リーグBlue Jays(ブルージェイズ)が、ダルピッシュを
獲得したいという内容だったが、そのタイトルの上手さには
思わず拍手を送ってしまった。
もちろん「Blue Bayou」(ブルー・バイユー)は
ポップス歌手ロイオービソンの代表的ヒット曲であるが、
後年、Linda Lonstadt やLynn Andersonなどのカバーで、
カントリーソングとしても多くのファンから愛され
我がバンドでも、Patsy のレパートリーになっている。
それにしてもBlue Bayouという唄は、国民的に有名な曲なんだ・・・
「ブルージェイズが君を買いたい」
新聞の見出しに使われるくらいなのだから。
そういうことで、今日は「青い入り江」の美しい風景とともに
Linda Lonstadtの唄声をお聞きください。
2012/1/6
Distant Drumsが全米と全英でNo1ヒットとなったのは、
アメリカがベトナム戦争の泥沼に突入していた1966年。
これを歌ったJim Reeves死去の2年後のことだ。
この歌には少し思い出がある。
学生時代、私たちは先輩に連れられて、週末になると横田米軍キャンプの
軍曹クラブで演奏していた。
おりしも当時はベトナム戦争真っ最中。
基地のクラブは毎回大勢の兵隊でにぎわい、
そのうち次第に、同世代の若い兵隊たちと仲良くなっていった。
その中の一人にジミーという物静かな男がいた。
そして、彼は、年に一度行われる私たちの定期演奏会にゲスト出演することになり、
その時ステージでギターを弾きながらジミーが歌った曲が、
このDistant Drumsだった。
遠い昔の出来事なので、今となれば切れ切れにしか思い出せないが、
その時の、彼の小柄であるが凛としたステージでのたたずまいと、
甘く暖かい唄声だけは、なぜかはっきりと覚えている。
この曲は、国の命令で戦地に赴く若い兵士の唄である。
「マリーよ、俺と結婚してほしい・・・」
その時、ジミーはどんな想いで、この「遠い太鼓」を歌っていたのだろうか?
横田での休暇が明けると、すぐにベトナムの戦場へ送り込まれた若い兵隊たち、
ジミーは、無事にアメリカの故郷に帰りつけたのだろうか?
2012/1/3
これはWalkin' Backのインスト曲のひとつ。
この曲はSanto & Johnnyというスチールとギターの名演奏で、
1959年にビルボードで第1位に輝いている。
本当を言えば、このオリジナル演奏の画像をみなさんに
ご紹介しようと考えていたのだが・・・少し気になっていたことがあった。
というのは、3年ほど前、この曲を取り上げた一番最初のリハのときのこと。
ドラムスのイッセーがポツリと「これは映画ラ・バンバで最後に流れていた・・・」
この映画がとても気に入って何度も観ていた私は、Sleep Walk の旋律は
やはり同映画に流れる「ドナ」という唄に少し似ているので、
そのときは、イッセーの勘違いだと思い聞き流していた。
だが今日改めて確かめてみると、それは私の間違いだったことに気付いた。
それがこの映像、まさに映画のラストシーンでした。
悲報、当時人気絶頂のRitchie Valensの乗った飛行機が・・・
そこから、Sleep Walk の美しくもセンチメンタルなメロディーが流れ続けます。
今年は1月のステージから、この曲をやります。
手前味噌で恐縮ですが、ケニーのギター&ウッチーのスチール、
このコンビの演奏は、かなりいいですよ!
2012/1/1